お墓参りの時期について【前半】

広報担当 ポラ子とリス実

2021年12月14日 12:00



お彼岸にお墓参りをする理由

お彼岸にお墓参りをする風習は、日本各地で見られますが、
なぜお彼岸の時期に、お墓参りをするのかご存じでしょうか。

伝統には、それぞれ意味や由来があり、
その意味を理解した上で参加すると、より意義深くなります。

どのような理由で、お彼岸にお参りをするのか、
その意味に目を向けていきましょう。

お彼岸は「悟りの境地」を指し、仏教の思想に由来する言葉です。

私たちが生きている現世を、迷いや苦しみに捕らわれた
「此岸(しがん)」と呼ぶのに対し、
生と死の境界を越えたはるか西方にある、
苦しみから解放された世界を「彼岸」と呼びます。

春分の日と秋分の日は、
太陽が、ちょうど真西に沈む日であることから、
此岸と彼岸が、もっとも近づく日であるとされています。

死者の世界と、現世の距離が近くなる日でもあるため、
お墓参りをして、故人を偲ぶようになったという説が有力です。

このように、もともとは煩悩に打ち勝って、
彼岸のような、悟りの境地にいたるための修行を指す言葉でしたが、
次第に祖霊の供養を行う期間として、認知されていきました。

日本仏教独自の行事

仏教徒がいる国は多くありますが、
お彼岸は日本独特の文化で、ほかの仏教国では行われていません。

日本仏教独自の行事であり、
仏教の一般的な習慣ではない点には、注意が必要です。

特に浄土宗は、今日のお彼岸の形成に
強く影響を与えているといわれています。

浄土宗では、お彼岸の時期に「彼岸会」という法要が開かれており、
お彼岸の時期に祖霊のご供養を行うことで、現世に生きる人も
極楽に行くことができるという考えがあります。

この考えは、日本人に古来より根付いている祖霊信仰と
相性がよかったことから広く受け入れられ、
お彼岸にお墓参りをする風習が、一般に浸透していったようです。

日本で古くからあった太陽信仰と、
結びついて生まれたという説もあります。

太陽や自然信仰を指す「日願」と、極楽浄土を示す「彼岸」が
合わさったという考え方もあるようです。

お彼岸のお墓参りの時期

お彼岸でお墓参りをする時期は、いつごろなのでしょうか。

親族に声をかけられたら、お参りに行くという方は
具体的な時期は、把握していないかもしれません。

彼岸の時期をきちんと知っておけば、予定を立てやすく、
より充実した時間を過ごせるでしょう。

春分の日・秋分の日の前後7日間

お彼岸の期間は、1年に春と秋に2回あります。

3月20日~21日前後の春分の日と、9月22日~23日前後にある
秋分の日を中日とした、前後3日間の計7日間です。

春分の日は「自然をたたえ生物を慈しむ日」、
秋分の日は「祖先をうやまい故人を偲ぶ日」とされており、
どちらも「国民の祝日に関する法律」で定められた祝日です。

どちらも昼と夜の長さが、ちょうど同じになる日であり、
暦の上での区切りでもあります。

春分の日と秋分の日にブレがあるのは、
年によって、昼と夜の長さが同じになる日が異なるためです。

毎年、国立天文台が正確な日時を定め、
日本公式暦の「暦要項」で発表しています。

いち早く、その年の春分の日と秋分の日を知りたい方は、
2月の初頭に発行される官報をチェックしましょう。